SONY EマウントAPS-C用ズームレンズ SEL1670Zを実機レビュー
カールツァイスのEマウントレンズ、SEL1670z(Vario-Tessar T* E 16-70mm F4 ZA OSS)を実機レビューします。
Eマウントが出たての頃は、キットのSELP1650ズームレンズからのステップアップといえばSEL1670ZかSELP18105Gのどちらかという感じでしたが、SONY,Tamron,SigmaからF2.8通しのレンズが出てからはどうしてもそちらに目が行ってしまう方が多いのではないでしょうか。(大三元レンズという言葉に憧れますよね)
しかし、小三元レンズと呼ばれるF4通しのレンズは、コンパクトさとズーム領域のいいとこ取りができるレンズですので今一度検討してはどうかと思い、レビューします。
スペック一覧
参考に愛用のSIGMA 18-50mm F2.8のスペックも横並びで載せておきます。
※SIGMA 18-50mm F2.8もこちらの記事でレビューしていますので、よろしければご覧ください。
SONY SEL1670Z | 参考 SIGMA 18-50mm F2.8 | |
対応フォーマット | APS-C専用 | APS-C専用 |
焦点距離(mm) | 16-70 | 18-50 |
焦点距離フルサイズ換算(mm) | 24-105 | 27-75 |
開放F値 | 4 | 2.8 |
最小F値 | 22 | 22 |
最短焦点距離(m) | 0.35 | 0.121-0.3 |
最大撮影倍率 | 0.23 | 0.35-0.2 |
絞り羽根(枚) | 7 | 7 |
手ぶれ補正 | 有 | 無 |
フィルター径(mm) | φ55 | φ55 |
最大径×長さ(mm) | φ66.6×75 | φ65.4×74.5 |
質量(g) | 308 | 290 |
発売開始年 | 2013 | 2021 |
引用:SONY公式HP
引用:SIGMA公式HP
こうして比較してみると、ズーム領域、開放F値も去ることながら、最短撮影距離が許容できるかもネックになりそうですね。
因みに実物で比較するとこんな感じです。全長がほとんど変わらず、質量もほぼ同じくらい。
特徴
コンパクトな標準ズームレンズ
α6000番台にちょうど良い大きさ標準ズームレンズだと思います。実際にα6700に取り付けてみるとこんな感じ。
筐体は金属ですがそこまで重くなく、気軽に持ち運べます。逆に軽ずぎる感じもなく持った時のバランスが良いです。(あまりレンズ側が軽すぎても構えにくい)
また、持った時の金属感は普通のプラスチック筐体レンズとの違いを感じます。(って良くカメラ屋さんのレビューに書いてありますが、確かにプラスチッキーなレンズと違って造りがしっかりしている感じがして、良いレンズ持ってる感があります。)
また、コンパクトさの割にズーム領域が長めなので、外に遊びに行くときなどに持ち出しやすく、つけっぱなしレンズとして使えます。SIGMA 18-50mm F2.8だと外出した時に「もう少し焦点距離が長ければ」「もう少し広ければ」と思うことがありますが、その「もう少し」を満たしてくれるレンズです。
※Tamron SONYもAPS-C用の大三元レンズを出しています。
Tamron 17-70mm F2.8はズーム領域はほぼ同じなんですが、結構大きいんですよね。つけっぱなしにするには躊躇する大きさです。
SONYのSEL1655Gも同じく私には大きいです。ここは人の感覚によると思いますが。ちなみに、それぞれのレンズをレビューしていますので、よろしければご覧ください。
Tamron 17-70mm F2.8レビュー
SONY SEL1655Gレビュー
最短撮影距離0.35mなのでテーブルフォトもOK
実際にテーブルフォトをやってみると最短撮影距離0.35mは微妙な距離感ではありますが、テーブルフォトが可能です。
F4通しが使いやすい
ズーム全領域で開放F値が変わらないレンズです。「ズームしたら知らないうちに暗くなってた」ってことが起きません。
開放がF4とそこまで明るくないので室内や夜間の撮影では注意が必要ですが、手ぶれ補正もついているので結構なんとかなります。屋外だったらもちろん全然問題無し。
「F2.8に対してボケ具合がなぁ」と気にしがちですが、F4であれば被写体から背景の距離を稼げば適度にボケを作れます、特に屋外での撮影では。また、ボケも比較的綺麗で、ざわついた感じはないので、背景に木や草がたくさんあっても大丈夫。(公園行くとよくある場面です)
スイッチ類は無
鏡胴部はつるんとしてます。AF/MF切り替えスイッチ等は何もありません。自由に機能を割り当てられるボタンが1個でもついていると便利だとは思いますが、気軽に持ち運ぶ普段使いレンズとしてであればコンパクトさ、軽さの方が大事だと思うので、重くなる寄りは良いのかも。
発売年が2013年
発売から10年以上経過していますので、光学系の進化という意味では最新のレンズに劣る可能性はあります。特に四隅の描写は時代と共にどんどん良くなっています。ただ、実際撮影してみても特に古いからどうということはなく、よくネットで言われている「コントラストの高い描写」をしてくれます。
また、子供を撮影することが主な私のようなカメラマンにとっては、四隅の描写はそこまで重要ではありません。中央付近にいる子供が綺麗に写ってくれればそれで良しです。
手ぶれ補正機構あり
レンズ内に手ぶれ補正機構が搭載されていますので、ボディ内手ぶれ補正非搭載のα6400等をお使いの方にはお勧めですね。SONYの公式HPには段数の記載がありませんでしたが、ネットのレビューを見る限り2〜3段くらいとのこと。私も実際試してみましたが、まぁそれくらいだと思います。
AF速度
α6700に装着しての使用感ですが、特に遅く感じることはなく、十分実用的なAF速度だと思います。SIGMA 18-50mmとの速度差も感じませんので、発売年が古いからと言って購入のハードルにはならなさそう。
ハズレ個体に注意
私の使用した個体はありませんでしたが、ハズレ個体を引くと片ボケがひどいようですので注意が必要です。
作例
いくつか作例を
※世の作例は非常に魅力的なものが多いですが、カメラマンの実力が創り出している部分も多いです。目の保養としては良いですが、実際私のように週末に子供を撮影したり、散歩で風景を少し撮るくらいが主な人間が撮影するのが現実に近いので、そう言う見方をお願いします。(ハードルを下げるための言い訳です)
まとめ
実際に使ってみると、コンパクトでα6000番台にちょうど良いツケっぱなしレンズだと思いました。
そしてズーム域がフルサイズ換算24-105mmは外での普段使いにはすごくちょうど良いです。外に持ち出して、公園での子供撮影等である程度離れていても撮影可能です。(テーブルフォトも出来る。)
絞り、ズームリング含めて金属筐体なのはリングの回しやすさの面で少し気になりますが(滑りやすい)、ゴムリング特有の白化は起きないので綺麗なまま使用できると思います。
※滑りやすい上に凹凸がほとんどないのでレンズつけ外しの時は落っことさないように十分注意してください。(私は1回危なかったです。)
発売年は古いですが、AFも特別遅いということもないので、F4であることが許容できれば試してみる価値はあると思います。
と言うか、同じコンセプトのレンズをもっと最短撮影距離を短くしてSONYから新しく出してくれないかな、とレビューしてみて思いました。それくらい体格と焦点距離のバランスが良かったです。ボディに手ぶれ補正非搭載のα6400等をお持ちの方は特にオススメかと思います。
※ソニーストアではすでに販売終了しているのですがYahooショッピング等を見ると新品がまだ売っています。もしくは中古の購入になりますが、前述した片ボケを事前に確認できるならばした方が良いと思います。
以上参考になれば幸いです。
カメラのレンズは高いので、いきなり購入するのは不安ですよね。そんな場合はレンタルで試用してみるのをおススメします。
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