SEL55F18ZとSIGMA 56ｍｍ F1.4 DC DNを実機比較レビュー
SONY Eマウント、APS‐Cで中望遠領域となる短焦点レンズ
・SONY SEL55F18Z（Sonnar T* FE 55mm F1.8 ZA）
・SIGMA 56ｍｍ F1.4 DC DN Contemporary
を比較していきます。
スペック比較
公式サイト
SIGMA 56mm F1.4 DC DN Contemporary
からの抜粋です。
| SONY SEL55F18Z | SIGMA 56ｍｍ DC DN | |
| 焦点距離（ｍｍ） | 55 | 56 |
| 開放F値 | 1.8 | 1.4 |
| 対応フォーマット | フルサイズ対応 | APS-C専用 |
| 最短撮影距離（ｍ） | 0.5 | 0.5 |
| レンズ内手振れ補正 | 無 | 無 |
| フィルター径（mm） | 49 | 55 |
| 最大径（ｍｍ） | 64.4 | 66.5 |
| 長さ（ｍｍ） | 70.5 | 59.3 |
| 重さ（g） | 281 | 280 |
| 発売年 | 2013 | 2018 |
大きな違いは開放F値です。SEL55F18Zが開放F値1.8に対して、SIGMA 56mmは1.4と1段弱明るいので、その分被写界深度も浅くなり、ボケの大きな写真が撮りやすくなります。また、シャッタースピードを半分にしたり、ISO感度を半分に下げるなど、撮影に余裕が出ます。
それと、SEL55F18Zはフルサイズ対応なので、フルサイズ機をお持ちの方は標準域のコンパクト単焦点として共用が出来ます。
SEL55F18Zはフルサイズ対応ですが、APS-C専用機であるSIGMA 56ｍｍと体格、重さ共に同じくらいに収まっています。
外観比較
2つを並べるとこんな感じで、少しSEL55F18Zのほうが長いですが、あまり変わりません。
持ってみても重さに差はありません。（1g差なので当たり前ですが）
両方ともボタン類は特にありません。SEL55F18Zが金属筐体、SIGMA 56mmは樹脂筐体なので触った感じは違います。見た目はSEL55F18Zの方がかっこいいですね。
SIGMA 56mmはフォーカスリングがゴムで、ほこりが付きやすく白化もしやすいです。（実際私の持っているものはフォーカスリングが白化していました。その場合はこちらで紹介している方法でクリーニングするとある程度回復できます。）
α6700に取り付けるとそれぞれこうなります。両方ともボディとの大きさ、重さのバランスが良く、非常に持ちやすいです。
両方とも軽いので、α6000系との組み合わせでちょっとした散歩などに気軽に持ち歩けると思います。
ただし、どちらもレンズ内手振れ補正がないので、ボディ内手振れ補正が搭載されていないα6400やα6100では注意が必要です。
AF速度
α6700に搭載して撮影してみた体感を記載します。
SEL55F18Zの方が発売年が5年古いですが、どちらのAF速度もほとんど同じです。そしてそんなに早くないので、走り回る子供の撮影だとピント合わせが間に合わない時もあります。
物撮りや動きが激しくない人物であれば問題ないと思います。
AF動作時の音はSEL55F18Zはほぼ無音ですが、SIGMA 56mm F1.4はジーという音が聞こえます。カメラのマイクでも拾ってしまうので、動画撮影時には注意が必要だと思います。
最短撮影距離／最大撮影倍率
数字上はどちらも最短撮影距離0.5mです。テーブルフォトは撮影が難しいです。
最大撮影倍率は焦点距離が長い分だけSIGMAの方が大きいです。
実際の最短撮影距離の状態は下の写真のようになります。どちらも公称値通りかなと思います。
実際の写真はこうなります。
作例
いくつか比較撮影をしたので載せておきます。
なるべく同じ画角となるように撮影しましたが、多少異なるのはご容赦ください。また、F値は基本揃えています（開放F値での撮影除く）。
神社の狛犬です。狛犬の造形はSIGMAの方がシャープに写っています。SEL55F18Zはシャープさは劣りますが、コントラストの高さはこちらの方が上ですね。また、手前の木の葉の溶け感はSEL55F18Zの方が上に感じます。
階段
石垣を斜めから。
SIGMAの方が絞り開放では被写界深度が浅いので、良くボケます。
F4で落ち葉を撮影。
F4でもシャープさはSIGMA56mm、発色はSEL5518Zが良いですね。
F8で神社を撮影。
F8まで絞るとシャープさ加減は同じくらいになるので、発色の良い絵が出るSEL55F18Zの方が有利になりますね。(明るさが違うので分かりずらいです、すいません。）
同じくF8で鉄塔を撮影
どちらのレンズがお勧めか
SONY SEL55F18Zがお勧めな方
・ZEISSの発色の良い絵が好み
・フルサイズ機でも使用する、または将来フルサイズ機購入を視野に入れている。
・ボケ量はF1.8で充分（背景までの距離が取りやすい屋外での撮影が多いとか、屋外での撮影が多い、ボケがそもそもそんなに必要無いなど）
・動画撮影にも使用したい。
SIGMA 56mm F1.4 DC DNがお勧めな方
・SONY純正レンズに拘らない
・出来るだけ明るいレンズが良い（屋内撮影が多い）
・出来るだけ大きく撮影したい
・カリッとした描写が好み
・スチル撮影にしか使用しない
それぞれ特徴はありますが、スチル撮影用途であればどちらを購入しても後悔は少ないかなと思います。
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